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Channel: 残雪、もとめて
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春に、想うこと

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この一週間を振り返ると、挫折と開き直りの繰り返しだった

先週の土曜日には、雨の中で、これも試練だ、と嘯きながら

それでも、山にいることが楽しかった

その時も三男には異変が見られず、二人の会話は、吉野と違って北尾根では、雪の稜線がテントを鳴らしているだろうなあ、と心を馳せさせていた

翌日も、私はまったく気づかなかったが、後で聞くと

ときどき激痛はあったらしい


この下山の日、雨で濡れたリュックを、疲れや足場の悪さでいっそう重たく感じながら、急いで下った

三男も、ことさら疲れを見せるでもなく...しっかり着いてくる

しかし、駐車場にたどり着いたとき、三男から初めて聞く...腹痛...

本人は、半年前の薬で処置した「虫垂炎」だと疑わなかった

実際、その痛みを経験してみないと、たんなる腹痛で押し通してしまいそうだ


下山した安堵感もあって、気が緩んだのだろう、急に激痛を訴えてきた

吉野の救急病院を思い浮かべようとしたが、本人はそのまま家まで帰る、という

確かに地元の方が、家人も何かがあっても、対応し易い

そのことを気遣ったのだろう


日曜日、堺の病院にそのまま乗りつけ、すぐに「虫垂炎」と診断され、月曜日の手術が決まった

医者が言うには、よく山登りなどしたものだ、と呆れていたが...


今度は以前のように薬、という訳にはいかない

次に再発したときは、すぐ切除する、と言われていたのだから....


三男は、昨日退院した

当然、本来なら昨日から入山予定の穂高岳北尾根もキャンセル

私にとっては、最後の雪山だというので、三男が一昨年計画してくれたもので

何としてもやりたかったのだが、これは仕方ない

ただ、私の気力が萎えないように、残雪期の北尾根でもいいじゃないか、と

五月の連休前後を、あらためて計画する

GWそのものは、きっと多くの登山客で、北尾根も予定した時間通りには登れないだろうから

その前後に、また有休を取って登る

山は、静かに登りたい...この年になれば、そんな登山をしたくなるものだ

一昨年から「決意」の証として始めた「禁煙」

北尾根の雪稜で、それを解禁しようと思っていたが...またしばらくお預けだ

 

この一週間、何とか「和歌」の方のブログは、数日で立ち直ることが出来たが

ここでは、いろいろと思うこともあって、なかなか向かえなかった

一つは、勿論「山」のこと

そして、もう一つ...

それは、毎晩遅い帰宅で、何とか時間を作ってパソコンに向かってはいるが、

いつの間にか、そんな気持ちの余裕もなくなっていた

「和歌」の方は、自身の「興味、趣味」のことなので、パソコンに向かえば自然と書ける

しかし、ここでの役目は...「山想い」から始まった、一日も欠かさないという若い頃の気持ちを、

現在も持続させることの不自然さに、やっと気付く

若い頃とは、その環境もまったく違うものだ

ならば、今出来ることでいいじゃないか、と思うようになっている


「日記」というジャンルは、そもそも苦手な私だ

だから、かつての大学ノートの書き殴りは「想うこと」と表紙に書いていた

それでいい、今の私が想うこと...

しかし、何かのテーマは持ちたい

毎日はおそらく難しいだろうが、週末にでも書き続けられる「何か」を持ちたい


北尾根から下山したら、その「何か」を新たな決意で始めよう、と思っていたのだが...

それが、何にも考えられずに日々を過ごしてしまった


ブログの「一日一首」、HPの「万葉集」

これらの更新は、それほど苦にはならない...日課のように向かうことが出来る

しかし、ただ「何かを想うこと」は、その「何か」を見つけなければ、なかなか書けない

明日、もう一度じっくり考えてみよう

 

今日は、すっかり春の陽気になったので、明日香散策でもしようと、車を走らせた




本当は、万葉文化館で調べたいことがあったので、ついでに歩こうと思い...

調べものは、すぐに片付いたが、いつも高松塚と文化館に車を停め、そこを拠点にして明日香を歩くのだが

今日は、高松塚が初めて見る満車状態で、駐車不可

文化館もかろうじて駐車できるほどの込具合で、あらためて今日の「陽気」さを思い知る


今の時期では、目を惹くような「花の彩り」はないが

その「香り」は、確かに感じることが出来る

それにしても、人の賑わう公園を外れると、すっかり人影が見えなくなる

それが「明日香」らしいところで、私のお気に入りだが、

今日は、幾つかの駐車場の情況を見たせいか、そのギャップの凄さに驚いてしまった



 

 

今日一番印象に残ったのは、飛鳥川とユキヤナギだ

稲淵の飛鳥川は、そばに賑わう石舞台がありながら、静寂の中での、せせらぎを教えられる

それに、文化館の裏手から古い家屋の家並みを歩くと、白いユキヤナギもちらちたと見える

汗ばむほどの陽気さの中で、こんな路傍のひとときは、本当に心が癒されるものだ


足を休めるつもりで、「犬養万葉記念館」に立ち寄ったが

ここは、私的な図書室があり、その万葉関連の書物のなかには、文化館にはないものもある

それが魅力的だ

ただ残念なのは、閲覧室が狭いので、じっくりそこで読み込むことは、結構勇気がいる

ただ気軽に入館できる施設で、明日香を歩く中で、味わえる寛ぎのひとときを与えてくれる


 

明日は、じっくりといろんなことを考えよう





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